受け継いだのは、商人としての「誠実さ」
永楽屋のあゆみ、それは創業者である齋田永三郎の商人としてのあゆみからはじまります。15歳にして商人としての道を志し、19歳でたった4坪の小さな商店をかまえた永三郎は、やがて紡績業を展開、国内外に拠点をおくまでに育て上げます。その後、上海事変に伴う事業所撤退を経て、故郷京都に戻った永三郎に転機が訪れたのは第二次世界大戦後の混乱期。あらゆる物資が不足し人々の生活すら困窮する中、手に入れやすい食材を使って、いかにして人々の心を満たす食を届けるかに奮闘します。そうして昭和21年、現在本店がある河原町四条で永楽屋は産声を上げたのです。
永三郎は料理人でも職人でもなく、商売の道を志した商人でした。しかし移り行く時代の中で、商人が商売を通して何を志し何を届けるべきかという想いは、ものづくりに誠実に取り組む姿勢となって、今も永楽屋に強く受け継がれています。